水曜の今日は休診日。

一人でガタガタと家の片づけをしながら、賑わいにつけておいたテレビ。
たまたまＭＸテレビがついていました。

着物の話がやっていたので、ふと見ると、
加賀友禅のお話。

女性アナウンサーが薄桃色に御所解き模様の訪問着を着付けてもらいながら、
ご亭主に

「どうやって、こういう緻密な絵を決めていくのですか？」

と質問すると、

「着る人の笑顔を考えて決めていくのですよ。そうしないと作る人の個性が出すぎてしまうので。それが日本の伝統工芸です。」

とこたえていらっしゃいました。
思わずはっとしました。

実は美容医療にも通じるものがあるな、と。


ドクターが
「これが”美”というものだ～！」

と押しつけたら、それはそのドクターの自己主張による作品なのであって、
患者さん本人の個性を生かしているわけではない。

美容医療は自己表現の場ではありませんから、
やはり施される人の笑顔を考えて治療する必要があります。

私の場合、やりすぎ感が嫌いなので顔の印象を大きく変える手術や
あんまり大量にヒアルロン酸などの注入物を入れるということをやっていませんが、
反対に、不自然なほどの”やりました”感が欲しい患者さんもいらっしゃるわけです。

作家の中村うさぎさんは著書で
不自然と言われようがこれが私が思う”美”なのだから、文句ある？

とおっしゃっているように、
自分の顔ならそれは自己表現の場であっていいわけです。

とはいえ、例えば枯れた葉すら描く写実的な加賀友禅というひとくくりがあれば、
華やかな京友禅というひとくくりもあるわけで、
着る人はたいていどっちも持っていたり、帯との組み合わせでまたその人の個性を表現するわけです。

美容医療も土台づくりをしていますが、
普通患者さんはそのまますっぴんでいるわけではなく、
メイクや洋服やアクセサリーとの組み合わせでその人を表現します。

この色の帯の方が合うのに～

と、職人さんが思っていようがお構いなし、といえばそれまで。

でも、日本の職人さんはそんなことより
”着る人の笑顔”

を思い描いて一つ一つ筆を落としているというのです。


私も、パッパ、パッパ照射しているように見えるかもしれませんが、
レーザー一つうつのにも、一発入魂しているつもりです。

そこにさらに

患者さんの笑顔

を思い描き、更なる達人の域を目指していきたいと思います。
（というか、どんどん職人化していきますね、私・・・華やか雑誌に出てる美女医さんたちにもいちおう憧れてはいるんですけどね。）

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