とりあえず、前歯で5年間経過した症例です。
5年経ってもほとんど変わりません。おそらく10年以上経っても、それほど変化しないと考えられます。 その成功の秘訣は、インプラントボディの選択、充分に練られた治療計画(歯周病治療も含めて)と確かな技術、その後の定期メンテナンスです。
それでは、その秘訣を詳しく紐解いていきましょう。 今回はその最初。埋め込むインプラントボディの選択です。 最近では、同じインプラント治療といっても様々なインプラントが使用されます。 スイス製、スウェーデン製、韓国製や中国製のものもあります。 どのインプラントボディを埋入するかというのは、とても大事なことです。 医療界の中で、信頼できるインプラントのトップメーカーは世界で3社あります。 アストラテック、ストローマン(ITI)、ブローネマルクのトップ3社は一長一短あり、どれも優れたインプラントです。しかし、その中でも5年間の調査でインプラント周囲の骨が最も維持されたのは、当院のアストラテックインプラントでした。 下のグラフは、インプラント周囲の骨の吸収の大きさを表しています。 青い線が、アストラテックインプラントです また、インプラントが駄目になってしまう原因のほとんどは、インプラント周囲炎という炎症によるものです。 下の図は、意図的に菌を感染させインプラント周囲炎を起こした実験です。当院のアストラテックインプラントは、一番吸収を抑えることが出来ました。
まとめますと、 ①長期に渡って骨レベルを最も高く維持できる ②インプラント周囲炎に最も強い
以上の2つの理由で、当院はアストラテック・インプラントを主に使用しています。
次回は、「周囲組織との調和」です。 参考文献:Marginal bone level changes at dental implants after 5 years in function: a meta-analysis.Laurell L, Lundgren D.Clin Implant Dent Relat Res. 2011 Mar;13(1):19-28 Spontaneous progression of ligatured induced peri-implantitis at implants with different surface characteristics. An experimental study in dogs II: histological observations.Albouy JP, Abrahamsson I, Persson LG, Berglundh T.Clin Oral Implants Res. 2009 Apr;20(4):366-71