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妊娠中に開腹手術してきました②

 妊娠中の虫垂炎で手術 先のブログで書いておくのを忘れましたが、 母子ともに無事です! ご心配いただきありがとうございました。 まだ、妊娠期間を半分残しておりますので、油断はできませんが、とりあえず今度のことは乗り越えたようです。 とにかくお腹の子の生命力に感謝! さて、続きですが 実は手術されるのは初めてではありません。 以前にも書いたことがあるかもしれませんが 二十歳そこそこで卵巣のデルモイドシストで一回 大学卒業したてで子宮内膜症で一回 いずれも腹腔鏡で手術をしています。 このときは全身麻酔でしたから気持ちよく眠っている間にコトは終わっていたのですが、 今回は胎児のこともありますから、下半身だけ効かせる 脊椎麻酔と硬膜外麻酔の併用で行われることになりました。 が、この麻酔、麻酔科研修で、自分も何人もの患者さんに施していることではありましたし、安全性に疑問があるわけでもなかったのですが、あんな長い針を刺すなんて~と生理的に一番受けたくない麻酔だったんです。 この意味のない苦手意識のせいかあとでつらい目にあうんですけど。 まずは針をいれるところを局所麻酔。 いつも自分がやっている局麻注射ですが、通常できるだけ痛くないようにほそ~い針で、ゆっ~くり入れているので、やり方が気になって仕方ない。 それでも、やらないと先にすすみませんからもちろんおとなしく受けました。 左のわき腹への放散痛に耐えつつなんとか管が入り、 次に脊椎麻酔。 足があったかくなりますよ~ なんて、知った顔して患者さんに言っていましたが、実際感じるのは始めて。 あったかくなるのはほんとでしたが、なんともいえないゾワゾワした感覚も。 麻酔の高さが徐々に上がってくるのが良くわかり、感心しちゃいました。 アイスパックで ここは冷たい?こっちは? なんて効きを確かめて、いざ手術開始。 ところで、研修医の弟。(私とは10歳以上離れているんです) 1年目のときにみなと赤十字病院の消化器外科で研修していたときに虫垂炎の手術もしたと自慢していたので、 妊婦の虫垂炎にはさすがに入らせてもらえなかったでしょ、勉強したら? と、内科の研修をサボらせて?外科の先生にお願いして術野に立ち合わせてもらうことに。 正直こっちは裸ですから弟に見せるのも恥ずかしいんですが、 後の名医の教育との割り切りと、すでに2人生んでいるという図々しさで開き直りですね。 両脇のモニタも術野をうつしているし、弟が術野にいるのもはっきりした意識でわかる状態で行う手術。医者だから面白いと思えるけれど、そうじゃなかったらどうでしょうねえ。 麻酔の先生が二人。上の先生(実は教授でした)が 「虫垂炎で、全麻じゃないので、かなり途中痛かったりつらいと思いますががんばってくださいね」 と励ましてくれましたが、 途中はやはり辛かった! 皮膚を切ったりは全然感じないのですが、やはり妊娠中ということもあって、かなり虫垂が奥に押し込まれていた上に癒着もしていたようで、 狭い穴から押したり引っ張ったりするので途中耐え切れずに嘔吐。 弟が 「姉ちゃんがオエ~ってなるたびに穴から腸がニョロニョロ出てきて先生が押さえてたよ」 なんてあとで教えてくれました。 麻酔の先生が薄く麻薬を足してくれたのでだいぶ楽になり、眉間にシワを寄せながらもなんとか終了。 術前の説明では10センチくらい縦に切るといわれていましたが、 CTを撮って場所もわかっていたし、私が形成外科医ということで気を使ってくださったのか おへその脇に横向きに5cmほどの傷を付けるだけでやってくださいました。 外科の先生方ありがとうございました~!! 終わった後はなんとなくすがすがしく、 最後の皮下縫いを 「弟君にやってもらっていいですか?」 と聞かれたので 「もちろん!記念にどうぞ」 と太っ腹。 出来上がりは・・・ま、こんなもんですよね・・・ いいんです、気に入らなければ自分でそのうち修正します。 移動のストレッチャーが来るまでに、初めて先生と気楽におしゃべり。 執刀の先生は7年目の私より若い!男の先生でした。 弟いわく、優秀な先生だよ。 とのことでしたからラッキーでした。 術後の、ポンプのついた靴下と、尿道カテーテル、硬膜外麻酔の管に点滴の管と 管だらけで一晩過ごすのは辛いですが、 血栓症予防のポンプの付いた靴下は薄手に改良されていたし、 痛み止めも自分で入れられるので 以前の2回の手術より楽だった気がします。 術後、夜になって夫が到着。 2回の出産にも立ち会ってもらっていましたから、 こんなビッグイベントを私一人で乗り越えたのは初めて。 感情をあまりださない夫が私が運ばれるまでにあちこち電話するのに 「声が出なくて・・・」 と、そのとき気づきませんでしたがかなり動揺していたようで、 思い出して目を赤くしていたのにはむしろびっくりしてしまいました。 急なキャンセルにも、患者さん方が怒ることなく、受け入れてくださっていたと伺い、 申し訳なさと、ありがたさに涙が出てしまいました。 一日も早く復帰せねばと、気合が入りなおしますね。 たかが虫垂炎、されど虫垂炎。 ほんとあなどるなかれです。 ついでに、また、その後談がありますので、そのうちUPします。 お時間ある方は読んでください。

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