クリニックの夏休みも終わり、休み明けをお待ちいただいていた患者様で目が回るほどの忙しさです。
さて、今日の話題は今世間を騒がせているお化粧品の副作用
カネボウの化粧品に配合されていたロドデノールによる(と思われる)”白抜け”つまり白斑についてです。
当院の患者様にもいらっしゃいました。
軽度の方もいらっしゃいましたが、今回ご紹介するのは、かなり症状の重い方です。
かなりそのお化粧品を長くお使いの方でした。
私も、悩みに悩んだ患者様でしたから、報道で知って本人が「使ってました」とおっしゃるまで原因がわからず難渋しました・・・
その経過ですが、
一昨年の夏から化粧水を、去年の年明けから乳液をお使いで、
その半年後くらいから目の周りを中心に赤みとかゆみがでてきました。
つまり使い始めてから約1年近くたってから症状が出始めたことになります。
外でお仕事することも多いので、光線過敏症など中心に
もろもろいろんなアレルギーや膠原病の検査などを行いましたが、ヒットせず、
もちろん化粧品カブレの可能性をお話もしたはずですが、ちょっと私の記憶が定かではないのですが、
長く使って問題なかったからか、その後もお使いになっていたようでした。
炎症が出たりひいたりしながら、治療にもはっきり反応せずにぐずぐずしていましたが、
去年の10月ごろから周囲に色素沈着のある色素脱失が出現してきました。
強い炎症のあとの色素脱失はありえる話ですが、
鑑別診断として甲状腺機能を調べる検査もすると、この方はほんのわずかに低下を示したので、
これが原因かと内科へご紹介となりました。
内科での精査では結果的には体調の変化で多少はあるかもしれないが、
治療を要するほどではない、との診断が下り、
これまたなんだろうなんだろうと頭を悩ませていました。
・・・で、今回の報道。
いまではすっかり色が抜け、むしろ目立たないくらいになっています。
↑症状が出る前
↑まだらに色が抜け始めた頃(化粧品を使い始めてから1年くらいあと)
↑使うのを中止してから1ヶ月後(化粧品を使い始めてから2年後)
シミもきれいになくなっており、
このロドデノール、使い方によっては、すばらしい美白効果があると言えなくもないですが、
始めのあの炎症やまだらの状態を知っていると、化粧品に配合して用いるのは難しいでしょう。
新しい有効成分が医薬部外品として承認されたのが2008年、孫引きで確実ではないのが申し訳ないのですが、
”329例という多数例のモニター調査が実施され、製剤濃度の倍の濃度のものを長期間使ってみても、白斑など細胞毒性作用を有さないことが確認された」と報告されている。”
というのを見つけました。
つまり、白斑にならない、というお墨付きを与えているんですね。
もちろん、医薬品の場合は適切に使用して副作用が起きた場合の救済制度がありますが、
医薬部外品にはありません。
長期的な使用経験と言うのもまだたいしてないと思われますから、白斑以外でもこのまま使っていってどうなるのかは未知数
そもそもこの白斑がこの先治る可逆的なものであるのかすらわかっていません。
いちおう、使用をやめてから徐々に色素がもどってきているという報告があるようですが、
9月の中旬に皮膚科学会からまた追加の報告がでるようです。
ニュースをみて急に肌を見てみて、急に心配になることもあるようで、この化粧品を使っていた患者様がいらっしゃる場合もあります。
問診と視診でそう、とも違うよ、とも言えることもありますが、
小さかったり薄かったりして、でも心配というとき、
当院でフェイシャルなどを受けていただいている患者様には写真があるので、ラッキーなときは使用前からの写真と見比べることができ、
先日拝見した患者様はもともと色素脱失が軽度あったので、この化粧品のせいではないと結論付けることができました。
以前の茶のしずく石鹸といい、今回のロドデノールといい、
化粧品は角層までの吸収を前提としている製品とはいえ、
医薬部外品だとか、一般にはわかりづらい区分であらゆる製品が出回っていますから、
たかが化粧品と侮ることはできません。
私のおすすめは、やはり
『これを改善したい』
というものがあれば、クリニックへいらして治療し、化粧品には頼らない。
日焼け止め、保湿についてだけ、シンプルなものを使用する
ということでしょうか。
便乗して宣伝しておくと、
私の産休中、
スタッフによる
”スキンケア・メイクアップ講座”
を無料で受けれますので、どうぞご希望の方はぜひ予約してください。
料金は無料で、スキンケア・メイクアップの両方でも、片方でもお選びいただけますよ。
さて、今日の話題は今世間を騒がせているお化粧品の副作用
カネボウの化粧品に配合されていたロドデノールによる(と思われる)”白抜け”つまり白斑についてです。
当院の患者様にもいらっしゃいました。
軽度の方もいらっしゃいましたが、今回ご紹介するのは、かなり症状の重い方です。
かなりそのお化粧品を長くお使いの方でした。
私も、悩みに悩んだ患者様でしたから、報道で知って本人が「使ってました」とおっしゃるまで原因がわからず難渋しました・・・
その経過ですが、
一昨年の夏から化粧水を、去年の年明けから乳液をお使いで、
その半年後くらいから目の周りを中心に赤みとかゆみがでてきました。
つまり使い始めてから約1年近くたってから症状が出始めたことになります。
外でお仕事することも多いので、光線過敏症など中心に
もろもろいろんなアレルギーや膠原病の検査などを行いましたが、ヒットせず、
もちろん化粧品カブレの可能性をお話もしたはずですが、ちょっと私の記憶が定かではないのですが、
長く使って問題なかったからか、その後もお使いになっていたようでした。
炎症が出たりひいたりしながら、治療にもはっきり反応せずにぐずぐずしていましたが、
去年の10月ごろから周囲に色素沈着のある色素脱失が出現してきました。
強い炎症のあとの色素脱失はありえる話ですが、
鑑別診断として甲状腺機能を調べる検査もすると、この方はほんのわずかに低下を示したので、
これが原因かと内科へご紹介となりました。
内科での精査では結果的には体調の変化で多少はあるかもしれないが、
治療を要するほどではない、との診断が下り、
これまたなんだろうなんだろうと頭を悩ませていました。
・・・で、今回の報道。
いまではすっかり色が抜け、むしろ目立たないくらいになっています。
↑症状が出る前
↑まだらに色が抜け始めた頃(化粧品を使い始めてから1年くらいあと)
↑使うのを中止してから1ヶ月後(化粧品を使い始めてから2年後)
シミもきれいになくなっており、
このロドデノール、使い方によっては、すばらしい美白効果があると言えなくもないですが、
始めのあの炎症やまだらの状態を知っていると、化粧品に配合して用いるのは難しいでしょう。
新しい有効成分が医薬部外品として承認されたのが2008年、孫引きで確実ではないのが申し訳ないのですが、
”329例という多数例のモニター調査が実施され、製剤濃度の倍の濃度のものを長期間使ってみても、白斑など細胞毒性作用を有さないことが確認された」と報告されている。”
というのを見つけました。
つまり、白斑にならない、というお墨付きを与えているんですね。
もちろん、医薬品の場合は適切に使用して副作用が起きた場合の救済制度がありますが、
医薬部外品にはありません。
長期的な使用経験と言うのもまだたいしてないと思われますから、白斑以外でもこのまま使っていってどうなるのかは未知数
そもそもこの白斑がこの先治る可逆的なものであるのかすらわかっていません。
いちおう、使用をやめてから徐々に色素がもどってきているという報告があるようですが、
9月の中旬に皮膚科学会からまた追加の報告がでるようです。
ニュースをみて急に肌を見てみて、急に心配になることもあるようで、この化粧品を使っていた患者様がいらっしゃる場合もあります。
問診と視診でそう、とも違うよ、とも言えることもありますが、
小さかったり薄かったりして、でも心配というとき、
当院でフェイシャルなどを受けていただいている患者様には写真があるので、ラッキーなときは使用前からの写真と見比べることができ、
先日拝見した患者様はもともと色素脱失が軽度あったので、この化粧品のせいではないと結論付けることができました。
以前の茶のしずく石鹸といい、今回のロドデノールといい、
化粧品は角層までの吸収を前提としている製品とはいえ、
医薬部外品だとか、一般にはわかりづらい区分であらゆる製品が出回っていますから、
たかが化粧品と侮ることはできません。
私のおすすめは、やはり
『これを改善したい』
というものがあれば、クリニックへいらして治療し、化粧品には頼らない。
日焼け止め、保湿についてだけ、シンプルなものを使用する
ということでしょうか。
便乗して宣伝しておくと、
私の産休中、
スタッフによる
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を無料で受けれますので、どうぞご希望の方はぜひ予約してください。
料金は無料で、スキンケア・メイクアップの両方でも、片方でもお選びいただけますよ。