こんにちは、りえです。
ブログではほんの少し触れたことがあるかもしれませんが、
がんサポート外来というのを計画しています。
私自身が乳がんになり、片方乳房を切除し抗がん剤治療を経験したわけですが、(まだホルモン治療などは続いています)
がんを治すためとはいえ、副作用は当然出ました。
抗がん剤治療も種類によってですが、
近年対症薬も進化したとはいえ、吐き気倦怠感などのよくドラマなどでイメージされる副作用ももちろん出現します。
また、皮膚や爪などの副作用などもあまりご存じない方も多いかと思われますが、かなりの頻度で出現します。
比較的若い年齢で乳がんや子宮がんは見つかることも増えてきました。
若いからということだけではありませんが、見た目の変化というのは想像以上に精神的ダメージを受けるものです。
私は吐き気よりも後半の薬の為にむくみがひどく、痩せるどころかぶくぶくと太ってしまったことが辛くてたまりませんでした。
そこで、私の専門科を活かして何かできることはないかと考えたのが
”がんサポート外来”です。
主疾患の治療は主治医の先生にお任せするとして、
悪性腫瘍または慢性疾患に伴うマイナートラブルあるいはその治療による副作用を対象にしています。
主疾患を治療する先生はかなりお忙しく、副作用の話もなかなか聞いてもらえないという声をよく耳にします。
実際治療も日進月歩なところを追いかけなければならないですし、まずは命を助けることが第一義に来ますので、それどころじゃないということも多いかと思います。
でも、これからはがんサバイバーの時代です。
そういったメインの治療が進歩してきているのもあって、来るべき日が来るまでの時間は確実にのびています。
だったら、そのQOLを徹底的に追求した医療機関があってもいいじゃないかと考えました。
悪性腫瘍の患者さんは奇跡を信じて怪しげな代替医療にのめりこむ方も少なくありません。
もちろん、それで精神的安らぎを得ることもあるでしょうから、私はまったく否定する気はありません。
ですがせめて、そういった治療の医学的な裏付けがどの程度あるかを医者の目を通して提示するのはどうでしょう?
あるいは高額な治療費をかけなくても意外と医療的知識をもってすると簡単に解決される問題もあったりするのです。
ということで、アイデアを温めておりましたら、
漢方薬、栄養療法を得意とされている先生のご協力も得られることとなり、
思いのほか早くがんサポート外来が形になってきました。
見た目のお悩みについては私が相談に乗りますが、
保険で処方できる漢方薬や食事のアドバイスを受けることもできます。
また、以前ブログでご紹介したアートメイクの三宅先生もいらっしゃっていますので、
年明けしばらくしたらもう患者さんの受け入れ態勢は整う予定です。
また、このがんサポート外来にかなり重要な部分を占める分野に歯科もあります。
あら?そういえばうちは夫が歯科じゃなかったでしたっけ??
歯科の協力体制もさらに充実させることにしました。
抗がん剤で抵抗力が落ちると親知らずが腫れたり、歯周病やむし歯が悪化したりしてせっかくの抗がん剤治療を中断しなければいけなくなったりすることもあります。
私も一本残した親知らずの上の歯肉が腫れてあわや、という思いもしましたが、抗がん剤と抗がん剤の合間にクリーニングをしただけで大事には至りませんでした。
抗がん剤治療の前に一度そういった知識のある歯科で口腔内の問題点を洗い出しておくことは非常に重要です。
ですが、がん治療の先生方にヒアリングしたところ、残念ながら「がんが分りました」というと「先にそちらの治療を、、、」とおっしゃったり、あるいは必要があっても外科的処置を見送る歯科の先生も多いのが現状だという切実な声を聞きました。
主治医の先生からの紹介状をお持ちいただくと通常より多く保険でクリーニングができたりもしますので、
一筆「口腔ケアをよろしく」と書いてもらって安心してお越しください。
抗がん剤治療のスケジュールに合わせた優先的なクリーニングなども受けられうようにしていきます。
当院におかかりになる入口はいろいろあっていいと思います。
口腔ケアだけやって欲しいという方もいらっしゃるでしょうし、
全身状態に対し漢方薬を処方して欲しい
皮膚の状態を見て欲しい
再発予防にできることをおしえてほしい
一日でも長く元気でいたい
とにかく、悪性腫瘍と診断されたら来る、そんな外来を目指します。
あくまでまずは保険診療メインで考えています。
もちろん、私だったらこれを選ぶ、という自費診療もないわけではないですが、
メインの治療にお金がかかるのも存じております。
いろいろメニューをそろえて、選択できるように、一緒に考えられるように。
そして、できるだけ、標準の治療を受けられている患者さんのサポートを、と考えていますので、ぜひ主治医の先生のご理解のもと来て頂き、協力してやっていければいいな、と思っています。
(副作用についてはこちらにお任せください、という感じ?)
さらに将来的には術後のリンパ浮腫対策や
欧米ではデータの出てきているがん患者さんへの運動療法なども提供できたらとさらに夢は膨らみます。
また、さらにはっきりしたことが決まりましたら、HPやブログでお知らせしていきたいと思います。